2016.11.21
前回「吉祥文様」についてご紹介させていただきました。
今回は植物に注目してご紹介致します。
【松竹梅】
言わずと知れた、日本の代表的な吉祥文様です。
松が最上級として階級付けに使用されることもありますが、模様としては特に優劣はなく、それぞれに意味が込められています。
■松:一年を通して緑色であることから、絶え間ない長寿の意味
■竹:しなやかにまっすぐ伸びる様から、清廉潔白な人という意味 健やかな成長を願う意味もある。
■梅:寒さ厳しい冬、一番に花を咲かせることから、美しさの意味
【牡丹】
別名「百花の王」とも言われる。
その咲き誇る姿から、幸福、富貴、栄華の象徴となっています。
【桜】
日本の象徴とも言われる桜。
日本人は古くから桜の美しさに見とれ、華やかな象徴として桜を愛でてきました。
春を告げる花として、明るく咲き誇る姿も繁栄のイメージを与えてくれます。
【紅葉】
葉の形が別のものに例えられることが多い文様です。
蛙の手のように見えることから、
また、鶏冠にも似ていることから、武家社会では成功や出世の意味もあります。
桜と紅葉はともに描かれることも多く、四季の風情を表しています。
【南天】
お正月の縁起物として、お節料理などにも飾られています。
「南天=なんてん=難転」と捉えられ、難を転ずる縁起の良い植物とされています。
このように、日本には植物の吉祥文様が多く残っており、親しまれています。
日本人は微妙な四季の移ろいを感じ取り、美しさを見出してきた歴史があります。
四季を表す植物は日本人にとって、
繊細さや美しさを表す素敵なものだったのかもしれませんね。
豪華絢爛に動物が描かれた柄も躍動感があり素敵ですが、
雅で上品な雰囲気の植物の柄も魅力的です。
色とりどりに草木が描かれた着物は、見ている方も美しい気持ちになり、ゲストの方にも喜ばれることでしょう。
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