2020.06.13
「古き良き日本の伝統を重んじた結婚式を挙げたい!」と、和装婚に憧れている女性は今でもとても多いです。
今回のコラムでは、全国のプレ花嫁さまから一定のニーズがあり続ける、“和装の結婚式の良さ”を総力特集!
伝統的な和装の種類と意味・選び方から、和婚(神前式)の流れやおすすめスポットまで、幅広く解説していきます。
《目次》
・白無垢は、もっとも格式が高い“白一色”の正礼装
・色打掛は、華やかな色彩・柄が魅力の正礼装
・引き振袖 (大振袖)は、和装のなかではカジュアル
・紋付袴は、和装結婚式の男性用の衣装
和装婚で着られる伝統的な着物の種類には、主に上記の4つが挙げられます。
以下、それぞれの着物の意味や特徴について、簡単に解説しましょう。
“白一色”で織り上げた花嫁衣裳の白無垢は、もっとも格式の高い正礼装です。
その装いは、邪気を退けて神聖な婚礼の儀式に臨むことを表し、長きにわたって和装婚の憧れのシンボルとして見られています。
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色打掛も、白無垢と同格の正礼装です。白無垢“以外”の打掛は、基本的にすべて色打掛と呼ばれます。
色打掛の魅力は、なんといってもその華やかさ。
鶴や熨斗(のし)など、縁起がいい豪華絢爛な刺繍や、鮮やかに染め抜かれた生地のバリエーションは実に豊富。
洋髪との相性もよく、花嫁さまが自分らしい着こなし・アレンジを楽しみやすい和装の種類が、色打掛なのです。
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引き振袖(大振袖・本振袖)は、白無垢や色打掛など、その他の和装と比べればカジュアルな印象になる衣装です。
一般的な振袖と比べて袖が長く、“おはしょり”を作らず丈が長いままで帯を締めて、ふき綿が入った裾を引きずる形で着こなすことが特徴。
引き振袖は白無垢・色打掛よりも動きやすいため、お色直し以降の衣装として選ばれることが多く、中でもカジュアルな印象が幾分引き締まる、黒の引き振袖の人気が高いです。
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和婚で着られる男性の衣装は基本的に1種類、紋付袴しかありません。より正式に言うと、“黒五つ紋付き羽織袴”。
「背中・胸・両外袖の5ヵ所に染め抜きの門があること」や、「長着は羽織と同じ素材を使うこと」など、いくつかの決まりがあります。
【豆知識】伝統的な着物の柄・文様に込められている素敵な意味
着物の柄や文様には、縁起が良く2人の門出にふさわしいものがたくさんあります。少しその例を挙げてみましょう!
◆ 「鶴」の意味
⇒ 長生き・夫婦和合を象徴。
◆ 「鴛鴦 (おしどり)」の意味
⇒ “おしどり夫婦”という言葉でも有名。夫婦の変わらぬ愛を象徴。
◆ 「松竹梅」の意味
⇒ 古来中国の言葉で“三寒三友”。君子の象徴であり、逆境でも節操を守ることの例え。
和装の種類やその伝統が分かったところで、さらに以下では、特に人気の「白無垢」と「色打掛」にスポットをあて、自分に似合う1着の選び方を解説していきます!
「白無垢=真っ白一色」というイメージを持たれている方も多いですが、実際は生地の色にそれぞれ若干の違いがあります。
白無垢の柄も、刺繍で施されているのか織り込まれているのかで、着たときの雰囲気が結構変わるので、「白無垢だったらどれも大体同じでは?」と思わずに、色々と試着してみることをオススメします。
ちなみに最近の和装婚では、色付きの小物をアクセントにしたり、あえて洋髪で白無垢を着たりと、伝統の中に自分らしいアレンジを効かせる花嫁さまも増えています。
前撮りで白無垢をお召になる方も多いですが、お写真映えするので、その際は特に、小物で色味を取り入れるのがおすすめです。
和装での前撮りに関するコラムはこちら★
バリエーションが豊富な色打掛から、自分によく似合う1着を着るためのコツは、まずお顔立ちに合わせた色を選ぶことです。
例えば、「どちらかというと幼いお顔立ち」であったり、「丸みのある愛らしい感じの輪郭」である花嫁さまには、その可愛らしい雰囲気を初々しさをもって引き立てる、赤色の色打掛がよく似合います。
逆に、「凛とした大人っぽいお顔立ち」の花嫁さまには、黒などシックな色合いの色打掛がよく似合います。
また、自分に似合う色打掛選びのもう1つのコツは、身長に合わせた柄を選ぶことです。
身長が低めの花嫁さまは、柄がなるべく切れてしまわないよう小柄の着物を選び、身長が高めの花嫁さまは、より優雅に見える大判な柄の着物を選ぶといいでしょう◎
その他、色打掛のコーディネートはこちら★
和装結婚式ならではの楽しさは、着物選びだけでなく髪型選びにもあります。
伝統を重んじた、とことん格調高い髪型に仕上げるもよし、披露宴以降はカジュアルダウンした髪型に変えるもよし、様々なアレンジを楽しめます。
以下では、結婚式の和装で定番の髪型や、オススメの髪飾りをいくつかご紹介しましょう。
かつて上流武家の女性が、結婚式など正式な儀式の場で結う髪型として、もっとも格式が高かったのが「文金高島田」という髪型です。
地毛で結い上げるには、長さとボリュームが要り、専門的な技術も必要なので、今は鬘(かつら)で再現することがほとんどになっています。
髪型を文金高島田にするメリットは、やはり和装との親和性の高さにあるでしょう。
「せっかく白無垢を着るなら、高島田にしよう」と思われる花嫁さまが多く、日本の伝統を重んじる考えのご親族にも喜ばれやすい髪型です!
「鬘は重くて辛そう……」という花嫁さまにオススメなのは、地毛でできる範囲の日本髪を結う髪型です。
ヘアスタイリストさんの技量にもよりますが、基本的にサイド・バックの髪の毛の長さが肩まであれば、和装に合う鬢(びん)や髷(まげ)を作ることが可能。
顔や頭の形に合わせた、地毛での日本髪アレンジができるかどうか、担当のヘアスタイリストさんに相談してみましょう。
綿帽子は、文金高島田にかぶる白い袋状のかぶりもののことです。
「挙式の間、新郎以外に顔を見せないようにする」という伝統的な意味合いがあり、基本的には白無垢に合わせて着用するものです。
白無垢をより日本的なイメージで着こなすことが綿帽子のメインの役割ですが、和装の場合に気になることが多い、顔の大きさをカバーする効果も期待できます。
角隠しは、「角を隠して夫に従う」という意味が込められた、帯状のかぶりもののことです。
白無垢だけでなく、色打掛や引き振袖など、幅広い種類の和装に似合います。
先述した綿帽子よりも顔がハッキリ見えるので、ゲストにしっかりお顔を見てほしい花嫁さまにオススメです。
かんざしなどを使って、華やかなお顔周りにしやすいこともメリット!
「日本髪はしんどいかも……」という花嫁さまや、「お色直しの時間を短く済ませたい」という花嫁さまには、洋髪スタイルがオススメです。
着物の豪華さやボリュームに負けないよう、ウェディングドレス着用時の洋髪と比べて、ボリューミーに仕上げることが一般的。
最近では、前髪をタイトにまとめて後ろ髪にグッと立体感を持たせた、凛とした印象のアップスタイルが人気です。
また、後述する和風の髪飾りをつければ、華やかな“和洋折衷”ヘアアレンジが作れるでしょう◎
【豆知識】“和装×洋髪”によく似合う髪飾りの例
最大のオススメは、生け花を使うこと。……ですが、当日の生け花のコンディションを考え、高くても造りがしっかりした造花を選ぶケースもあります。
また、鼈甲(べっこう)やつまみ細工、水引細工で作られたかんざし類も素敵です。
ヘアスタイルに関するコラムはこちら★
白無垢には、白無垢特有の伝統的な“水化粧”というメイクがあります。
水化粧とは、水で溶かした白粉(おしろい)を刷毛で塗る化粧のこと。舞妓さんのように真っ白な顔を想像される方もいますが、花嫁メイクの場合はそこまで白くすることはありません。
最近は水化粧をしないで、結婚式の和装を着ることも多くなっていますが、それでも地肌が浮かないように普段のメイクよりやや白めにベースを作ることがよいとされています。
また、普段のメイクではノーズシャドウやシェーディング、ハイライトでしっかり陰影をつけることが多いですが、和装に合わせるメイクの場合は、ちょっとのっぺりと、平面的な感じに仕上げるほうが意外とマッチします。
メリハリは、唇に鮮やかな赤を差して作ることが一般的。シックな色打掛を着る場合は、深紅でも似合いそうです。
これは和装・洋装に限りませんが、担当のメイクさんとはよくコミュニケーションをとって、自分のメイクの好みやお顔のコンプレックスなどを明確に共有しておけば、“いいメイク”に仕上がるでしょう。
「結婚式の和装とブーケは合わなくて、持てないのでは……?」と心配されているプレ花嫁さまもいらっしゃいますが、決してそんなことはありません。
和装婚にオススメのブーケの種類の1つが、お花を球体のようにまとめて作られた、ボールブーケ。毬を手にしているような、愛らしさがあります!
他にも、人気が高い和装用ブーケが、水引ブーケや扇子ブーケ。
これらはInstagramなどのSNSを参考に、自分で手作りされる花嫁さまが多い印象!
着物では大胆アレンジはできないぶん、お手製和風ブーケで個性を発揮しているのですね◎
ブーケに関するコラムはこちら★
【豆知識】まだまだある!和装の結婚式で重要な小物類
◆ 末広 (すえひろ)
⇒ 花嫁が持つ扇子。「末広がりに幸せが続くように」という意味を持つ。
◆ 懐剣 (かいけん)
⇒ 房付きの袋に入れて、着物の帯に挿す短剣のこと。古くの日本で、“護身”の意味を備えた花嫁道具。
◆ 箱迫 (はこせこ)
⇒ 昔の花嫁が身に付けた化粧ポーチ。
これまで和装の結婚式に参列した経験がないため、「伝統的な和装婚っていったいどんなことをするんだろう?」と疑問に思っている花嫁さまも少なくないはず。
以下では、和装婚のなかでも最も伝統的である、神前式の流れを簡単にご紹介。
なお、実際の流れは儀式を執り行う神社によって、若干の違いがありますのでご了承ください。
神社に奉仕する神職と巫女の先導で、新郎新婦・両家の親・親族の順に、神社の本殿へと向かいます。
親族、新郎新婦、仲人、神職の順に、本殿に入場します。
ちなみに、神前に向かって右側が新郎の親族、左側が新婦の親族の場所です。
入場した神職が祓詞(はらいことば)を述べ、身のけがれを祓い清めます。
神職が神に新郎新婦の結婚を報告し、幸せが永遠に続くよう祈ります。
大中小3つの盃で、新郎新婦が交互にお神酒を頂き、夫婦の永遠の契りを結びます。
“和装婚”というと、この儀を思い浮かべる人も多いのでは?
古来の神前式にはなかったのですが、指輪の交換を重視するカップルからの希望で、神前式の中で取り入れられることが増えた儀式です。
神の前で新郎新婦が、2人で夫婦になることを誓う言葉を読み上げます。
榊(さかき)の枝に紙垂(しで)や麻などを結び付けた玉串には、神様が宿るとされています。
この玉串を作法通りに、神前にそなえる儀が玉串奉奠(たまぐしほうてん)です。
所作は難しそうですが、リハーサルでしっかり練習できるので大丈夫です!
雅楽の調べに乗せて、巫女が舞を奉納します。
親族盃の儀は、両家が親族となる儀式です。
巫女が親族全員にお神酒を注ぎ、全員起立して一斉に3回で飲みほします。
神職が式を執り納めたことを神に報告して一拝します。
神職、新郎新婦、仲人、親族の順番で、本殿から退場します。これをもって、厳粛な神前式は終わりです。
ほっと一息、神殿の前や庭で親族と集合写真を撮るなどして、楽しみます。
神前式の流れがよく分かる、北海道神宮での和装婚レポートはこちら★
北海道の広大な大地にある、広大な神社「北海道神宮」。
広い境内の空気は冴えわたり、緑の美しさをひしと感じることができます。
「明治神宮」なら、東京・大都会の真ん中での歴史ある和婚が叶います。
披露宴会場の「桃林荘」の内装も、厳かな雰囲気があるとして人気!
“これぞ和”という趣を感じる、「大阪天満宮」。
神前式を行う「梅花殿」は境内の奥のほうにあり、参拝客が多い日でも、静かな雰囲気のなか、式を挙げられるのだそう。
日本三大神宮の1つ「熱田神宮」が持つ、粛々と受け継がれてきた風格は、参列する方々を魅了します。
5~6月の式では、新緑の美しさにも大変目を奪われるとのこと。
“豪華絢爛”という称賛がふさわしいような、福岡の「太宰府天満宮」。
特に、国の重要文化財に指定されている、五間社流造の建物には、華やかな桃山時代の建築様式の特徴が垣間見えます。
和装とウェディングドレス、どちらにしようか悩む場合もありますよね。
どちらとも試着をして、より運命的な何かを感じるほうを選ぶことが1番だと思いますが、1つ判断材料となるのは、「式中、どう振舞いたいか?」ということだと思います。
和装はどうしても、座り方や立ち方・歩き方、すべてに楚々としとやかな振舞いが要求されます。
ピースサインなど、何気ないポージングも相応しくないので、家族や友人と和気あいあいとした雰囲気のなか、式を挙げたいという花嫁さまには、ウェディングドレスのほうが向いているかもしれません。
結納や前撮り、後撮りなどどこかで和装をお召頂くのもいいですね。
以上、「和装で結婚式を挙げたいな」とお考えの花嫁さまに向けた、徹底解説コラムでした。
ちなみに、和装を借りるお店は、
……などと基準に選ぶといいですよ!
ぜひ、日本の文化が誇らしく思える、伝統的で幸せな和装婚を叶えてくださいね♡
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